税務Q&A

生命保険金の支払い

CATEGORY:法人関係(法人税等)

Q 当社は、福利厚生及び企業防衛上の財産形成のために、役員・従業員を被保険者として生命保険料を支払っておりますが、税務会計上の処理を教えて下さい。

A 保険の契約によって以下のような処理になります。

1.養老保険
養老保険とは、被保険者(役員・従業員、以下役員等)が死亡したときには死亡保険金が支払われ、満期になった時には満期保険金が支払われる生命保険です。

(1)死亡保険金も満期保険金も会社が受け取る場合
資産(保険積立金)として計上する


【借 方】 【貸 方】
資産(保険積立金) 1,000 現金預金 1,000


(2)死亡保険金は役員等の遺族受取、満期保険金は役員本人受取の場合
役員・従業員に対する給与扱いとなる

【借 方】 【貸 方】
費用(役員報酬・給与) 1,000 現金預金 1,000


(3)死亡保険金は役員等の遺族受取、満期保険金は会社受取の場合
1/2は資産(保険積立金)として計上、1/2は費用(損金)として計上

【借 方】 【貸 方】
資産(保険積立金) 500 現金預金 1,000
費用(福利厚生費*) 500


2.定期保険(一般)
定期保険とは、一定の期間内に被保険者(役員等)が死亡した場合のみに死亡保険金が支払われる生命保険です。
全額、費用(損金)とする(なお、一括払いなどの場合は、当然期間按分する(他の例も同じ))

【借 方】 【貸 方】
費用(福利厚生費*) 1,000 現金預金 1,000


3.長期平準定期保険(やや複雑ですので、保険証券・説明の記載に従って下さい)
長期平準定期保険とは、以下のイ~ハの全要件を満たす定期保険です。

 イ)保険満了時被保険者(役員等)の年齢>70歳
 ロ)保険加入時被保険者(役員等)の年齢+保険期間×2>105歳
 ハ)4.の逓増定期保険に該当しない

基本的に定期保険と同じく費用としますが、高齢になるにつれ保険料は逓増するところ全期間で定額であることから、高齢時の費用(損金)が多くなるような処理となります。

(1)保険開始のときから保険期間の60%の期間中(1年未満の端数切捨て)
1/2を資産(前払費用)とし、1/2を費用(損金)とする

【借 方】 【貸 方】
資産(前払費用) 500 現金預金 1,000
費用(※) 500


※保険金が会社受取の場合(福利厚生費)、遺族受取の場合(役員報酬・給与)
(2)(1)の期間経過後
支払額を費用(損金)とするとともに、60%の期間で計上した資産(前払費用)の累積額を残りの期間で配分する

【借 方】 【貸 方】
費用(※) 1,750 資産(前払費用) 750
現金預金 1,000


4.逓増定期保険(複雑ですので、保険証券・説明の記載に従って下さい)
逓増定期保険とは、保険期間中の保険金額が契約当初の5倍以内の範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるものです。
長期平準定期保険の前払費用部分が異なってきます。

(1)保険期間満了時における被保険者(役員等)が45歳を超えるもの((2)(3)に該当は除く)
保険期間の60%の期間中は、1/2を資産(前払費用)とし、1/2を費用(損金)とする
60%経過後は、残りの期間で前払費用を取り崩す

(2)以下のイ・ロの要件を全て満たすもの((3)に該当は除く)

 イ)保険満了時被保険者(役員等)の年齢 > 70歳
 ロ)保険加入時被保険者(役員等)の年齢+保険期間×2 > 95歳

保険期間の60%の期間中は、2/3を資産(前払費用)とし、1/3を費用(損金)とする
60%経過後は、残りの期間で前払費用を取り崩す

(3)以下のイ・ロの要件を全て満たすもの
 イ)保険満了時被保険者(役員等)の年齢 > 80歳
 ロ)保険加入時被保険者(役員等)の年齢 + 保険期間×2 > 120歳

保険期間の60%の期間中は、3/4を資産(前払費用)とし、1/4を費用(損金)とする
60%経過後は、残りの期間で前払費用を取り崩す

保険金(額)・・・死亡時等に役員等の遺族に支払われる金額
保険料・・・・・会社が月々等で保険会社に支払う金額

免責事項
当Q&Aの記載は、記載時点の企業会計の基準・各税法等に準拠しています。また、あえてイメージしやすいように平易かつ簡略的な説明をしている部分があります。従って、当Q&Aの各記載に該当する処理等を行う場合は、専門家に問い合わせ頂くか税務署等に確認の上実行して下さい。 当事務所との顧問契約を結んだ上で問い合せ頂いた方を除き、当Q&Aの記載の利用による損害につき当事務所は一切関知いたしませんので予めご了承ください。